親からの相続,まずは法務局へ行くべき理由-「法定相続情報一覧図」を作ろう

相続の第1ステップは法務局へ!

戸籍謄本の束を出し直さずに済む便利な方法があります!

親御さんが亡くなったあと、残された家族は健康保険や介護保険の手続き、銀行や証券会社の解約、土地や家屋の相続登記など、たくさんの手続き作業が必要になります。
それぞれの手続きの際に提出を求められるのが「被相続人の戸除籍謄本」です。

「被相続人の戸除籍謄本」とは、亡くなった人の生まれてから死ぬまでのすべての戸籍です。長生きをした人だと、戸籍の用紙が10枚以上になることもあります。

また、手続きの内容によっては、相続する側「相続人の戸籍謄本」も必要となります。

これまでは様々な手続きに「全員の戸籍謄本の原本を何度も出し直す」か、「銀行の分、保険の分、証券会社の分・・・と複数部用意する」かのどちらかを選んでいました。

それはたいへん不便で時間のかかる作業でしたので、平成29年(2017年)から創設された制度が「法定相続情報証明制度」です。

法務省のページによると
本制度は、相続人から相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)とともに、戸除籍謄本等の束を登記所に提出していただき、一覧図の内容が民法に定められた相続関係と合致していることを登記官が確認した上で、その一覧図に認証文を付した写しを無料で交付するというものです

「法定相続情報一覧図」1枚でOKに!

要するに法務局が「法定相続情報一覧図」1枚にまとめてくれる!ということです。
しかも「無料」。
やってみるべきですよね!

この「法定相続情報一覧図」を手に入れるために、銀行よりも、保険会社よりも、証券会社よりも、先に、まずは、法務局で「法定相続情報一覧図」を手に入れましょう!

「法定相続情報一覧図」は自分でも手続きができるのはもちろん、親族、弁護士、司法書士などへ依頼することもできます。

ここでは、自分が実践してみた方法をご紹介します。

[1]手続きは簡単!まず必要な書類を集める

まずは、法務局のサイトを見て、必要な書類の一覧を手に入れます。

法定相続情報一覧図①が、被相続人(亡くなられた方)の「戸除籍謄本」です。

②は、被相続人(亡くなられた方)「住民票の除票」です。

③は、相続人全員の戸籍謄本または抄本です。配偶者はもちろん、きょうだい全員の書類を集めなければなりません。

④は、申し出人の公的書類です。

⑤は「法定相続情報一覧図」に住所を記載したい場合は「住民票の写し」が必要となっています。

場合によっては⑥や⑦も必要です。

それぞれ、右側の取得先の列に、その書類を入手できる先が記載されていますので参考にしてください。

 

[2]続いて「法定相続情報一覧図」を作る

ここから先は、パソコンを使う必要があります。
法務局のホームページから「法定相続情報一覧図の記入様式」をダウンロードします。

などの複数の書式が用意されています。自分のケースに合う様式を選びましょう。

手書きの場合は、ExcelファイルをそのままA4サイズの白い紙に印刷し、ボールペンなどで記入します。

エクセルで編集する場合は、配偶者やきょうだいの名前、続柄などを入力して、A4サイズの白い紙に印刷します。

エクセルを開いた時、気を付けたいのは、エクセルが複数のタブに分かれていることです。子1 人の場合、子2人の場合、子3 人の場合、子4 人の場合というタブがありますので、適切なものを選びましょう。

法定相続情報

記載例が法務局のホームページに用意されていますので、参考にするといいですね。

法定相続情報一覧図

 

[3]申立書を記入して、登記所へ提出!

申立書を作成しましょう。非相続人の表示や、申立人の表示など、必要事項を記入します。
「必要な写しの通数」を記載しておけば、5枚でも10枚でも無料で発行してくれます。

そして[3]申立書が完成したら、いよいよ、[1]で用意した書類と、[2]で作成した「法定相続情報の書類」を提出です。

申出をする登記所は、下記の図に示されているように、いくつかあります。詳しくは、法務局の「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」を参考にしてください。

自分の場合は、申出人住所地の法務局が近かったので、各種書類を持参しました。

申告書

[4]「法定相続情報一覧図」が完成

さて、「法定相続情報一覧図」の完成品はどんなものだったのか?

エクセルで作った「法定相続情報」がそっくりそのまま偽造防止装置を施した専用紙に印刷され、下部に文章や登記官の署名・捺印などが記入されていました。
希望の枚数が無料で発行されました。

法定相続情報一覧
「法定相続情報一覧図」、この書類があることで、様々な相続手続きがスムーズになるのならとても便利だと思いました。

以上が、自分が「法定相続情報一覧図」を入手したときの体験談です。あくまでも私の場合なので、参考になる場合、参考にならない場合もあると思いますがご理解ください。

執筆者:リルビースタイル
ミニ仏壇の代わりになる、遺品を収めるケースになる無垢材の供養箱「遠憶」を
企画・制作・販売しているリルビースタイルです。
自分らしいライフスタイルに合う祈りのかたちをご提案しています。
自然から生まれた無垢の素材や
日本に根付いている職人の技から生まれる本物の価値観と
ともに過ごすお手伝いができればと願っています。