仏壇の代わりになるのは、ミニ仏壇か、供養箱か
いまどきの仏壇所有率について
いま、皆さんのご自宅に仏壇はありますか?
2019年に楽天インサイトが調査した終活に関する調査では、家に仏壇が「ある」と回答した人は4割でした。
反対に「ない」と答えた人は53.7%。半数を超える人が”家に仏壇がない”というのが実情のようです。
いまどきの日本では、仏壇離れが進んでいることがよくわかります。
都会の住宅事情を考えると、仏壇を置くスペースの確保が難しいかもしれません。
また、現代人の宗教に関する受け止め方も変化していることが考えられます。
そもそも仏壇とは?
そもそもお仏壇とは、仏様をおまつりする”壇”のことです。
仏様やご先祖様のお位牌などをおまつりし、供養を行う”壇”として、各家庭に普及してきました。家の中に小さなお寺のようなものを設けて、仏様やご先祖様を信仰するものです。
古くは奈良時代の「日本書紀」に仏壇の原型となった仏舎に関する記載がありました。
江戸時代になって幕府が寺請制度を導入。亡くなった方の”戒名”をお位牌に刻印し、そのお位牌をまつるための場所として、一般庶民にもお仏壇が普及しました。
戒名とは?
”戒名(かいみょう)”については、ご存知でしょうか?
先祖のお位牌に、俗名ではなく、”戒名”が刻印されているのを見たことはありますか?
仏式のお葬式を行う場合、寺の住職から”戒名”を授かることになっています。
戒名とは、御仏の弟子となった証として与えられる名前なのだとか。
宗派によって詳細は異なりますが、男性の場合は主に大居士(だいこじ)・居士(こじ)・信士(しんじ)、女性の場合は主に清大姉(せいだいし)・大姉(だいし)・信女(しんにょ)といった位号が最後に付きます。
これは戒名の最後に付ける尊称で、左ほど位が高いそうです。そして、この位が高いほど、戒名の費用が高くなります。戒名は、お位牌や墓石に刻印したり、葬儀や法要の際、お経を唱えてもらう際に読み上げられます。
最近は、葬儀会社でお葬式を執り行うことが多いので、考え方によっては戒名を付けなくても葬儀は行うことは可能です。
仏壇が必要になる時期は?
こちらでご紹介しているように、お葬式の直後は仏壇ではなく、仮祭壇・後飾りと呼ばれるものを使用できます。
仏教の場合は、四十九日の法要に合わせて、遺骨を墓所に納めるのが一般的です。
神道の場合は、亡くなって50日目の「五十日祭」に合わせて、遺骨を墓所に納める場合が多いようです。
遺骨を墓所に納めたあとは、仏教であればお仏壇に、神道であれば祖霊舎と呼ばれる白木の祭壇にお祀りするのが一般的と言われています。
しかし、忙しい場合には、この日付にとらわれることなく、長い期間自宅に遺骨を置いたままでも問題はありません。
家族それぞれが納得できる形で
家族や親戚の中では、供養や宗教について、考え方が異なる方もいるかもしれません。
話し合いをして、お互いが納得できるかたちを模索することになります。
家族の中で信仰する宗教が異なる場合、例えば実家は仏教で、家族の一部はキリスト教で、結婚した先の実家は神道でといったケースもありました。その場合は、亡くなった方のご意志にそって見送りされていました。
また、送る側の家族の中でも意見が異なる場合もあるでしょう。
もし、相入れない場合には、葬儀は歩み寄って執り行い、その後は個人が希望するそれぞれの祈り方を選ぶという選択もありでしょう。
現在は”特定の宗教を信じていない”、”自分は無宗教だ”という方もいらっしゃいます。
”戒名はいらない”、”お経や念仏はいらない”というお考えのもと、無宗教でお葬式をしたり、家で供養するケースが増えています。
仏壇なし、遺影のみ という選択も
例えば、仏壇なしで、遺影を飾るのみという選択もあると思います。
棚や机の上に布などを敷いて、遺影をおまつりし、お花を飾ったり、お水を供えたりするのもいいでしょう。
遺影をフォトフレームに入れて、小さな花瓶にお花を生けて、故人が愛用していた器にお水を入れてお供えします。大切にしていた時計や趣味の品なども並べるといいかもしれません。
ドラマ「義母と娘のブルース」の中では、リビングの中央の本棚に、夫の遺影と花をおまつりしていました。最近の映画やドラマでは、このようなスタイルで手を合わせるシーンをよく見かけるようになりました。
モダン仏壇、コンパクト仏壇という選択も
いまの選択肢としては、手元供養のニーズが増えてきましたので、モダン仏壇、コンパクト仏壇などと名付けられたミニ仏壇タイプの品が数々登場しています。
ステージ仏壇と呼ばれるオープンタイプのお仏壇も見られます。
これらは、棚に置けるような小さめの仏壇であり、現代のインテリアに合うようなおしゃれな仏壇がつぎつぎと提案されています。
また、厨子タイプのものもあります。厨子とは、経典や仏像を収納する扉付きの収納具で、上品なかたちが好まれ、仏壇の代わりとして使う人もいます。
モダン仏壇、コンパクト仏壇に合わせて、小さな仏具も発売されています。
仏具とは、お香を立てる香炉(こうろ)、花を挿す花立(はなたて)、あかりを灯す燭台(しょくだい)などのことを指します。
香炉、花立、燭台を三具足(みつぐそく)、香炉、花立2つ、燭台2つを揃えた場合は五具足(ごくそく)といいます。
現在では、ミニ仏壇にあうイメージの仏具が用意されており、金属・木・陶磁器などの素材をいかした、モダンなデザインのものを選ぶことができます。
仏壇の代わりになる、ひとつの選択肢
仏壇を置くスペースはないが、何か祈りの場を作りたいという方には「遠憶 祈りの箱」という選択もあります。
背幅10センチ、高さ20.5センチ、辞書の広辞苑と同じくらいのサイズ、”書籍”のようなかたちの祈りの箱です。
表扉を開けたら、遺影をおさめるフォトフレームが現れます。
窓付きの台紙に遺影や思い出の写真を入れて、お花などを添えれば、そこが祈りのスペースになります。
裏の扉を開いたスペースには、メガネや時計などの小さめの遺品を収納することができます。このスペースにお位牌やおりんを入れてもよいでしょう。
落ち着いたら、扉を閉めて本棚などにしまうことができます。背幅は10センチなので場所をとりません。
収納したものを埃などの汚れから守ることができます。
執筆者:リルビースタイル ミニ仏壇の代わりになる、遺品を収めるケースになる無垢材の供養箱「遠憶」を 企画・制作・販売しているリルビースタイルです。 自分らしいライフスタイルに合う祈りのかたちをご提案しています。 自然から生まれた無垢の素材や 日本に根付いている職人の技から生まれる本物の価値観と ともに過ごすお手伝いができればと願っています。